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適正にご使用いただくためのガイドブック
(切除不能な胸腺癌)

適正使用に関するお願い

レンバチニブは、血管内皮増殖因子(VEGF)受容体(VEGFR1-3)、線維芽細胞増殖因子受容体(FGFR1-4)、血小板由来増殖因子受容体(PDGFR)α、幹細胞因子受容体(KIT)、RearrangedDuring Transfectionがん原遺伝子(RET)等の受容体チロシンキナーゼを阻害することで腫瘍血管新生等を抑制し、腫瘍の増殖を阻害する経口の分子標的薬です。

本剤は、国内第Ⅱ相試験(NCCH1508試験, REMORA)の結果、プラチナ製剤を含む化学(放射線)療法の治療歴を有する切除不能又は再発胸腺癌に対して、有効性及び安全性が示され、2021年3月に「切除不能な胸腺癌」の効能又は効果で承認されました。

本剤は、REMORAにおいて、高血圧や蛋白尿、手足症候群、甲状腺機能低下症、疲労等の副作用が認められていることから、使用に際しては十分な注意が必要となります。

本冊子では、本剤を適正に使用していただくため、対象患者の選択、投与開始前及び投与期間中の検査、発現する可能性のある副作用とその対策等について解説しています。

本剤をご使用いただく前に最新の電子添文とともに必ず本資料をご熟読いただき、本剤の適正な使用をお願いいたします。

なお、投与開始前には、患者及びその家族に本剤の有効性及び副作用について十分に説明し、同意を得てから投与を開始していただくようお願いいたします。

本資材に掲載されているレンビマの臨床第Ⅱ相試験(国内NCCH1508試験:REMORA)の安全性・有効性情報は、承認時評価資料:切除不能又は再発胸腺癌患者を対象とした臨床第Ⅱ相試験(国内NCCH1508試験)[LEN-0470]、Sato J, et al. Lancet Oncol 2020; 21(6): 843-850[LEN-0402](著者にエーザイ株式会社よりコンサルタント料等を受領している者が含まれる)に基づき記載されております。

監修 里内 美弥子先生

兵庫県立がんセンター 副院長 兼 ゲノム医療・臨床試験センター長・栄養管理部長 呼吸器内科部長

レンバチニブは、本邦では2015年3月に「根治切除不能な甲状腺癌」、2018年3月に「切除不能な肝細胞癌」の効能又は効果で承認されています。この度、切除不能な胸腺癌患者を対象とした国内第Ⅱ相試験(NCCH1508 試験, REMORA)において、有効性及び安全性が評価され、世界で初めて日本において「切除不能な胸腺癌」への適応拡大が承認されました。

切除不能な胸腺癌に対しては、1次治療としてプラチナ製剤を含む併用化学療法が実施されていますが、2次治療の標準治療は確立されておらず、新たな治療選択肢が望まれていました。レンバチニブの登場により、分子標的治療薬による新たな治療選択肢が増えることは、患者及び医療者にとって有益なものと考えます。

本剤の治療効果を享受するためには、甲状腺癌や肝細胞癌での知見を含む本適正使用ガイドブックの内容を理解し、適切に患者を選択することが重要です。また、治療を継続する上では、慎重なモニタリングと有害事象のマネジメントが求められます。

本剤を適正に使用いただき、胸腺癌患者にとって有益なものとなることを切に願います。