特に注意いただきたい副作用
下痢
- 国内第Ⅱ相試験(NCCH1508試験, REMORA)で高頻度に発現し、休薬や減量を要する事象が認められました。下痢が発現した場合は適切な処置をとるため、速やかに来院するよう患者に指導してください。
- 可能な範囲の支持療法を行っても症状が改善しない場合は、休薬、減量又は中止等の適切な処置を行ってください。
■副作用の発現状況
国内第Ⅱ相試験(NCCH1508試験,REMORA)における下痢の副作用の発現状況は下表のとおりです。
国内第Ⅱ相試験(NCCH1508試験, REMORA)における下痢の副作用
例数(%)
■副作用の発現時期
国内第Ⅱ相試験(NCCH1508試験,REMORA)における下痢の初発までの期間[中央値(最小値,最大値)]は99日(4日, 270日)でした。
■下痢の対策
- 症状が認められた場合は、速やかに来院するよう指導してください。
- 本剤開始時に、ロペラミド等をあらかじめ処方することを検討してください(特に症状発現時に速やかに来院できない場合)。
- 薬剤性(感染によるものではない)の下痢が認められた場合は、ロペラミド等を内服し、速やかに医療機関に連絡するよう指導してください。
- 降圧治療等で利尿剤を用いている場合は、下痢に伴う脱水にも留意してください。
- 下痢以外の副作用で休薬、減量を行った場合は、十分に観察し、便秘症状に注意をしてください。
- 下痢に対する治療にもかかわらず、忍容できないGrade2*又はGrade3が認められた場合は、本剤を休薬して症状がGrade1以下に軽快後、1段階減量して本剤投与を再開してください。
*Grade3には該当しないが、医師・患者が減量・休薬を必要と判断した場合
参考薬剤性の下痢の主な症状
「便が泥状か、完全に水のようになっている」、「便意切迫またしぶり腹がある」、「さしこむような激しい腹痛がある」、「トイレから離れられないほど頻回に下痢をする」、「便に粘液状のものが混じっている」、「便に血液が混じっている」等の症状が継続する場合、薬による下痢の可能性を疑う必要があります。
厚生労働省 重篤副作用疾患別対応マニュアル「重度の下痢」
薬剤の使用にあたっては、各薬剤の電子添文をご参照ください。