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緊張型頭痛

緊張型頭痛の特徴

緊張型頭痛の特徴:肩こり、疲労・圧迫感・ストレス起因

頭の両側がギュ-ッと締めつけられるような頭痛が、数十分~数日間ダラダラと続く頭痛です。片頭痛のように、前兆や悪心・嘔吐などの随伴症状はなく、動いてもひどくはなりません。

緊張型頭痛は「ストレス頭痛」とも呼ばれ、精神的・身体的ストレスが原因となる場合があります。たとえば、緊張、不安、うつ、運動不足・うつむき姿勢、あるいは口・顎部の機能異常が、緊張型頭痛の発症に関係します。

一般集団における緊張型頭痛の生涯有病率は30~78%の範囲とされており、一次性頭痛の中で最も多いと考えられています。日常生活が制限されるほどの影響は低いといえますが、慢性化すると難治で生活支障度も高くなる場合があります。

緊張型頭痛の分類・診断

緊張型頭痛と片頭痛は症状が似ていることが多いのですが、治療法が異なるため、分類・診断にはとくに注意が必要です。

片頭痛と緊張型頭痛は、その重症度や吐き気・嘔吐、光・音過敏といった片頭痛の特徴の有無などからは鑑別できない場合がしばしばあります。以下の国際頭痛分類第3版beta版(ICHD-3β)による分類・診断にしたがって、エビデンスに基づいた診断を導き出してください。

緊張型頭痛の分類 1)

2. 緊張型頭痛

2.1 稀発反復性緊張型頭痛
2.1.1
頭蓋周囲の圧痛を伴う稀発反復性緊張型頭痛
2.1.2
頭蓋周囲の圧痛を伴わない稀発反復性緊張型頭痛
2.2 頻発反復性緊張型頭痛
2.2.1
頭蓋周囲の圧痛を伴う頻発反復性緊張型頭痛
2.2.2
頭蓋周囲の圧痛を伴わない頻発反復性緊張型頭痛
2.3 慢性緊張型頭痛
2.3.1
頭蓋周囲の圧痛を伴う慢性緊張型頭痛
2.3.2
頭蓋周囲の圧痛を伴わない慢性緊張型頭痛
2.4 緊張型頭痛の疑い
2.4.1
稀発反復性緊張型頭痛の疑い
2.4.2
頻発反復性緊張型頭痛の疑い
2.4.3
慢性緊張型頭痛の疑い

主な緊張型頭痛の診断基準 1)

各緊張型頭痛は、主に頭痛の発症頻度で診断されます。

2.1 稀発反復性緊張型頭痛

  1. 平均して1ヵ月に1日未満(年間12日未満)の頻度で発現する頭痛が10回以上あり、かつ B~Dを満たす
  2. 頭痛は30分~7日間持続する
  3. 以下の4つの特徴のうち少なくとも2項目を満たす
    1. 両側性
    2. 性状は圧迫感または締めつけ感(非拍動性)
    3. 強さは軽度~中等度
    4. 歩行や階段の昇降のような日常的な動作により増悪しない
  4. 以下の両方を満たす
    1. 悪心や嘔吐はない
    2. 光過敏や音過敏はあってもどちらか一方のみ
  5. ほかに最適な ICHD-3 の診断がない

2.2 頻発反復性緊張型頭痛

  1. 3ヵ月を超えて、平均して 1ヵ月に 1~14日(年間12日以上 180日未満)の頻度で発現する頭痛が10回以上あり、かつ B~Dを満たす
  2. 2.1 稀発反復性緊張型頭痛に同じ
  3. 2.1 稀発反復性緊張型頭痛に同じ
  4. 2.1 稀発反復性緊張型頭痛に同じ
  5. 2.1 稀発反復性緊張型頭痛に同じ

2.3 慢性緊張型頭痛

  1. 3ヵ月を超えて、平均して 1ヵ月に15日以上(年間180日以上)の頻度で発現する頭痛で、B~Dを満たす
  2. 数時間~数日間、または絶え間なく持続する
  3. 2.1 稀発反復性緊張型頭痛に同じ
  4. 以下の両方を満たす
    1. 光過敏、音過敏、軽度の悪心はあってもいずれか1つのみ
    2. 中程度・重度の悪心や嘔吐はどちらもない
  5. 2.1 稀発反復性緊張型頭痛に同じ

緊張型頭痛の急性期治療

緊張型頭痛は、精神的な緊張や、頭頸部の器質的な過度の筋緊張という 2 つの要因により起こりうる頭痛です。治療には、筋肉の緊張緩和を目的とした治療とともに、精神的な病態を把握し、治療することが重要となります。過度なストレスが原因となっていることも多いので、薬物療法、非薬物療法に加えて、一般心理療法などを行うことも効果的です。

緊張型頭痛における薬物療法 2)3)

臨床的に最も多く使用され、効果も高いのは鎮痛薬および NSAIDs です。処方箋薬、OTCともに比較的入手しやすいため、薬剤の使用過多による頭痛(薬物乱用頭痛)や胃腸障害への注意が必要です。

また、頭頸部や肩の筋肉の緊張をやわらげる筋弛緩薬や、不安やストレスを取り除く抗不安薬が用いられることもあります。

急性期治療

1. 鎮痛薬・ NSAIDs (推奨グレードA)
  • アセトアミノフェン 500mg
  • アスピリン 500 ~ 1,000mg
  • イブプロフェン 200 ~ 800mg
  • ケトプロフェン 25mg
  • ナプロキセン 200 ~ 600mg
  • ジクロフェナク 12.5 ~ 50mg
  • ロキソプロフェン 60mg

すべて頓用

2. カフェイン 65 ~ 200mg 頓用(併用薬として有用)(推奨グレードB)
3. 選択的 COX-2 阻害薬 (推奨グレードC)

予防治療

1. 抗うつ薬
  • アミトリプチリン 5 ~ 75mg/日 (推奨グレードA)
  • クロミプラミン 75 ~ 150mg/日 (推奨グレードB)
  • マプロチリン 75mg/日 (推奨グレードB)
  • ミアンセリン 30 ~ 60mg/日 (推奨グレードB)
  • ミルタザピン 30mg/日 (推奨グレードB)
  • トピラマート (推奨グレードC)
2. 抗不安薬
  • アルプラゾラム 0.4 ~ 1.2mg/日 (推奨グレードB)
  • エチゾラム 0.5 ~ 1mg/日 (併用で推奨グレードB~C)
3. 筋弛緩薬
  • チザニジン 3 ~ 6mg/日 (推奨グレードB)
  • エペリゾン 150mg/日 (推奨グレードC)

緊張型頭痛における非薬物療法 4)

緊張型頭痛では、頭や首、肩の筋肉の緊張した状態が長く続くことによる血流の悪化が関係しています。そのため、薬物療法とともに非薬物療法を行い、痛みの発生原因を取り除くことも重要です。

1. 頭痛体操

慢性頭痛の診断ガイドラインでも推奨グレードBに位置づけられ推奨されています。副作用が少なく、コストがほとんどかかりません。背中や首、上半身を主に動かし、筋緊張を取り除きます。

2. 頸部指圧 (推奨グレードC)

3. 鍼灸 (推奨グレードC)

4. バイオフィードバック(認知行動療法) (推奨グレードA~C)

バイオフィードバックとは、自分では気がついていない体の情報(筋肉の緊張など)を、機械等を使って知覚できるようにし、体の機能をコントロールできるようにしていく心理療法です。催眠療法も同じ心理療法で、暗示にかかりやすい催眠時に体をコントロールできるようにしていきます。

参考文献

1)
日本頭痛学会:P18-22 , 2.緊張型頭痛 , 国際頭痛分類 第2版 新訂増補日本語版 , 医学書院 , 2006.
2)
日本頭痛学会:P204-205 , III 緊張型頭痛 III-7 緊張型頭痛の急性期(頭痛時,頓服)治療にはどのような種類があり,どの程度有効か,またどのように使い分けるか , 慢性頭痛の診療ガイドライン2013 , 医学書院 , 2013.
3)
日本頭痛学会:P206-208 , III 緊張型頭痛 III-8 緊張型頭痛の予防治療はどのように行うか , 慢性頭痛の診療ガイドライン2013 , 医学書院 , 2013.
4)
日本頭痛学会:P209-210 , III 緊張型頭痛 III-9 緊張型頭痛の治療法で薬物療法以外にどのようなものがあるか , 慢性頭痛の診療ガイドライン2013 , 医学書院 , 2013.