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社会への影響

片頭痛はありふれた疾患

世界保健機構(WHO)の2001年のレポートでは、片頭痛は「仕事や日常生活に支障を来たす疾患」の第19位に位置づけられています。また、女性に限定すれば、さらに上位の第12位となっています。

このように、世界的に見ても"ありふれた疾患"といえる片頭痛ですが、その一方で健康寿命を平均2〜3年縮めるともいわれています。

片頭痛の有病率

一次性頭痛の中でも、片頭痛は日常生活の支障や影響が大きいとされています。片頭痛が日常生活に及ぼす影響に関する調査1)では、「頻繁に寝たきり」34%、「寝込まないが支障大」40%、「日常生活の支障は軽度あるいはなし」26%と、74%が頭痛により著しくQOLが低下していることが明らかになっています。

一方で、「片頭痛のために仕事や社交を休むか」という問いに対しては、68%が「仕事や社会生活を犠牲にすることはない」と答えています。

この双方の調査結果を見ると、頭痛の強さと社会活動への影響は必ずしも相対していません。この事実より「寝込みたいのをがまんして、仕事や社交を行っている」という片頭痛患者の現状が垣間見られます。これは、働き盛りの世代が多い片頭痛患者個人のQOL低下のみならず、仕事の能率や生産性にもかなりの影響を及ぼしていることを示しています。

重症度の高い頭痛が社会へ与えるインパクト

このように、片頭痛は、患者個人の生活支障度が高い疾患であることがわかりますが、社会に与える影響も少なくありません。

たとえば、米国の報告では、5〜17歳の学業期にあたる100万人のうち、反復する頭痛によって、1ヵ月あたりに30万日を越える通学日を無駄にしているという報告があります2)。小児が度重なる頭痛によって登校拒否に陥ることもあれば、成人では頭痛によって仕事を解雇されたり、抑うつ症状を併発することもあります。

片頭痛と労働損失

頭痛による社会への経済的損失を計るためには、直接費用と間接費用に分けて考える必要があります。

直接的経済的損失(直接損失)で代表的なものは医療費です。片頭痛治療にかかる医療費は、片頭痛患者とそうでない人を同世代で比較すると、患者は1.4〜1.8倍も多くかかると報告されています3)4)

間接的経済的損失のほとんどは、仕事の能率低下によるものです。1992年の米国の試算によると、片頭痛によって仕事の生産性が低下したための経済的損失は、年間2088〜4128米ドルであったとしています。また、片頭痛発作のために、全米中の片頭痛患者が活動を制限される日数は、1ヵ月あたり570万日にものぼると報告されています。別の同年の調査では、片頭痛による欠勤、仕事の能率低下などにより、年間130億米ドル(当時で約1兆5000万円)になると算出しています5)

片頭痛は、患者個人にはもちろん、社会に対しても直接的・間接的に多大な不利益を与えていることを踏まえ、医療の経済性や社会性がさらに問われることを認識しておきたいものです。

参考文献

1)
坂井文彦. 頭痛の疫学と医療経済学. 神経研究の進歩. 2002 ; 46 : 343-9.
2)
Osterhaus JT, et al. Health care resorce and lost labour costs of migraine headache in the US. Pharmacoeconomics. 1992 ; 2 : 67-76
3)
Stang PE,et al. Migraine patterns of health care utilization. Neurology. 1994 ; 44 suppl 4 : S 47-55.
4)
de Lissovoy G, et al. The economic cost of migraine : present state of Knowledge. Neurology . 1994 ; 44 suppl 4 : S56-62.
5)
Hu XH,et al. Burden of migraine in the United States : disability and economic costs. Arch Intern Med. 1999 ; 159 : 813-8.