Q&A
解析
解析(ブイエスラド アドバンス)
Q1

アドバンスは脳梗塞の疑いがあっても解析できるようになりましたか?

-A1-個々の症例ではわかりかねますが、梗塞に限らず低信号領域がみられる画像でプラスで失敗していた症例を救えるケースが確認されています。ただし、すべての症例で対応可能ではないため、途中処理で灰白質・白質が問題なく分離されているかご確認ください。
Q2

アドバンスは正常圧水頭症などの脳室拡大症例でも解析できるようになりましたか?

-A2-全ての症例をカバーできるわけではありませんが、プラスで失敗していた症例も解析可能となるケースを確認しております。また、脳室拡大症例では、灰白質抽出を行えても、白質抽出で失敗するケースがありますので、解析後、途中処理結果をご確認ください。
Q3

アドバンスにするとプラスより解析時間も短くなるのでしょうか?

-A3-解析時間はプラスより長くなります。DARTELの解析に時間を要するため、ご了承ください。プラスの3倍程度と想定いただき、なるべく性能の高いPCで解析いただくことをお勧めいたします。
Q4

アドバンスにプラスの解析結果は読み込めるのでしょうか。

-A4-プラスの解析結果を読み込めません。アドバンスで再度解析ください。
Q5

どうしても顎が上がってしまう方を解析する際、プラスでは自動補正フローを使用していましたが、アドバンスには搭載されていないのでしょうか?

-A5-アドバンスにも自動補正機能が搭載されています。
Q6

高信号値抑制とは何ですか?

-A6-SPM8の組織分割処理は、脳表部分などに極端に強い信号値があると正常に分割が行われないケースがあります。そこで、脳表部分に強い信号値があるかどうかを判定し、一定基準を超える場合に極端に高い信号値を抑える処理を行なっています。これを高信号値抑制と呼んでいます。
Q7

NIfTIとは何ですか?

-A7-従来のANALYZEフォーマットに替わる新しい画像フォーマットでありSPM8で採用されています。アドバンスでは処理結果をNIfTIフォーマットで出力します。
Q8

3TのMRI画像で「ブイエスラド」解析する際の留意点を教えてください。

-A8-1.5Tで撮像したMRI画像とは、解析結果が異なるということを前提にご使用ください。可能であれば、施設様ごとに磁場強度による解析結果数値の傾向を出していただいたうえでご使用いただくことを推奨します。
Q9

処理中に、「エラー発生」、「異常終了しました」というような内容が表示され、処理が停止してしまうのですが、どうしたらよいのでしょうか。

-A9-

処理停止の際に「[処理経過] ウィンドウ」の処理経過表示エリア」に表示される内容が下記【メッセージ内容】に合致する場合、以下の【対処法】で解消することができる場合があります。


【メッセージ内容】
◆次のメッセージが表示される
【エラー発生】[処理名*1]を処理中にエラーが発生したので処理を中止します。
異常終了しました。
error message:
[エラー詳細内容]

◆上記[エラー詳細内容]部分に、次の何れかの文が含まれる。
・「MATLAB:UndefinedFunction」
・「see Makefile」
・「Can't obtain SPM Revision information.」
・「MATLAB:load:couldNotReadFile」
・「MATLAB ランタイムコンポーネントキャッシュにアクセスできません。」

*1[処理名]には、処理が停止したタイミングに実施されていた処理の名称が入ります。

【エラー原因】
ブイエスラドは、処理実行時にプログラム実行ファイルの一部が一時フォルダに展開されますが、Windows の機能(ストレージセンサー)が一時フォルダを自動削除してしまい、処理実行時にエラーが発生する場合があります。

【対処法】
次の(1)(2)を行うことで、エラー原因を解消することができます。

(1)以下のフォルダ(一時フォルダ)を削除する
C:¥Users¥<ユーザ名>¥AppData¥Local¥Temp¥<ユーザ名>¥mcrCache8.5.1
上記フォルダはエクスプローラーで下記のように入力することで表示することが可能です。
%Temp%¥<ユーザ名>¥mcrCache8.5.1

(2)ストレージセンサー機能をオフにする
Windows のスタートメニュー>[設定]>[ストレージ] で表示される「ストレージセンサー」が
「オン」になっている場合は、「オフ」にします。

解析(ブイエスラド プラス)
Q1

どのフローを選択すれば良いでしょうか。

-A1-「[2]標準フロー+被検者脳」をお勧めします。このフローは、標準フローに加え、被検者脳表示を行うことができます。
また、顎があがったことなどにより処理が失敗する(処理エラーもしくは異常処理結果となる)場合は、「[6]自動補正(512×512対応)+被検者脳表示(線形変換前)」で処理いただくことで、失敗を回避できることがあります。
「[7]自動補正(512×512対応)+被検者脳表示(線形変換後)」のフローは、線形変換後の被検者脳画像で表示するもので、縦断的に被検者脳をみる場合、撮像の違いがカバーされるため確認しやすいフローと考えられます。
なお、[3][4]のフローは、やむを得ず512×512マトリクスで撮像してしまった場合にご使用いただくフローとなります。
Q2

フローを変えると処理時間は変わりますか。

-A2-入力画像やPCの環境にもよりますが、自動補正フローで30秒程度、被検者脳表示で1~2分長くなります。
Q3

512×512マトリクス対応のフローでは解析結果の値は変わらないのでしょうか。

-A3-解析ロジックが異なるため、256×256マトリクス対応のフローと比べZ値はわずかに変わることがあります。
Q4

顎があがった場合のみ自動補正を使えばよいのでしょうか。

-A4-顎が上がっていなくとも処理エラーとなった場合には救える場合があるのでお試しください。但し、自動補正しない場合と比較すると、解析結果が若干異なりますので、数値を見る場合はその点を考慮して評価する必要があります。
Q5

自分で入力画像の角度を変えたいのですが。

-A5-申し訳ありませんが、「ブイエスラド」は自動処理のみの対応となっております。
Q6

自動補正フローでは、AC-PCラインからの乖離が何度くらいまでなら補正できるのでしょうか。

-A6-すべての症例であてはまるかどうかはわかりませんが、角度を振ったテストでは、±25度程度まで補正できております。
Q7

標準フローでは、AC-PCラインからの乖離が何度くらいまでなら補正できるのでしょうか。

-A7-AC-PCラインが水平より10度以上傾いてしまっていると、灰白質抽出処理が失敗するケースが多くなります。
Q8

自動補正フローでは、トリミングにより被検者の脳の容積が変わってしまうのではないでしょうか。

-A8-自動補正フローは、線形変換のみを行っており、容積は変わりません。
Q9

自動補正フローをかけると、より詳細に解析できるのでしょうか。

-A9-これまで異常処理結果・解析エラーとなっていた症例を救えることがありますが、詳細な解析ができるようになる訳ではありません。
Q10

今まで解析していたものをすべて被検者脳表示したいのですが、どうすればいいでしょうか。

-A10-被検者脳表示のみを行う処理で行えます。メニューバーから、[ツール]→[形態逆変換ツール]から一例ずつ処理することができます。

解析(全バージョン共通)
Q1

梗塞があるとなぜ「ブイエスラド」での処理が駄目なのですか?

-A1-白質にみられる梗塞は、T1強調像において灰白質に近い信号値を示すことから、灰白質抽出プロセスにおいて、本来は白質である部分を灰白質と誤認識する要因となるからです。特に、梗塞の範囲が大きい場合は、白質と灰白質の誤認識が画像全体にわたって発生し、真値からかなり乖離した結果となる場合があります。一方で、梗塞の範囲がごく小さい場合は、画像においてその局所的な範囲でのみの影響となることもあります。梗塞があるから必ずしも使えないということではありませんが、誤認識の恐れがあるためご利用に際してはご注意下さい。
Q2

「明確な脳梗塞の見られる画像は正常に解析できません」とありますが、ここで言う脳梗塞とは、関心領域(内側側頭部や背側脳幹海馬)で見られる脳梗塞でしょうか?それとも関心領域以外の脳梗塞でしょうか?

-A2-明確な梗塞のある位置が、関心領域内であるかないかに関わらず、正常な解析は行えないことがあるとお考えください。
Q3

撮像時、顎の角度が少し違うだけでZスコアの数値に大きく差が出てしまうものでしょうか?

-A3-顎の角度による数値の違いについては詳細データはありませんが、角度の違いが処理結果に影響し、値が異なる可能性はあります。
Q4

「ブイエスラド」解析結果画面上の閾値とは何を意味するのですか?

-A4-「ブイエスラド」解析結果画面上の閾値とは、Zスコアマップ(解析結果画像)において色づけする範囲を設定する値となります。
初期設定では、Zスコア「2」を閾値としており、Zスコア「2」を超える範囲が色づけされます(変更することができます)。

閾値「2」という数値は、被検者画像と対照画像を統計比較した結果、平均値から標準偏差の2倍離れている(Zスコアが2)ということを意味する数値であり、ある測定値が正規分布に従う場合、測定値が平均から標準偏差の±2倍の範囲に入る確率は約95%となり、約95%の範囲を超えた場合を異常値と解釈します。「ブイエスラド」は、対照画像と被検者画像の脳容積密度を比較し、どれだけ低下(萎縮)しているかを示す解析を行うため、Zスコアが「2」を超えた場合、対照画像と比較して統計学的に異常ということから、萎縮しているという解釈となります。
Q5

プラスの関心領域には海馬傍回だけでなく扁桃体も含まれているのですか?

-A5-扁桃体の一部が含まれています。詳しくは、プラスの総合パンフレットをご覧ください。
Q6

クラスタサイズについて、指定した周辺部位とありますが、周辺部位とはどのあたり(どのくらいの広さ)のことを指しているのですか?

-A6-クラスタサイズとは、指定した萎縮が見られる(Zスコア2以上の)ボクセルに連なって萎縮しているボクセルの数を示すものです。特に周辺部位が特定されているものではありません。
Q7

Zスコアマップが開けません。

-A7-すべてのファイルを表示して、Zスコアマップ以外のファイルを指定した際に起こります。正しいファイルを開いているか、再度ご確認ください。
Q8

プラスで SPM Segment ウィンドウのX軸項目名の下のほうがかけてしまいます。

-A8-「ブイエスラド プラス」に移植しているSPMに由来するもので、環境により欠けることがあります。
Q9

処理中に、「エラー発生」、「異常終了しました」というような内容が表示され、処理が停止してしまうのですが、どうしたらよいのでしょうか。

-A9-

処理停止の際に「[処理経過] ウィンドウ」の処理経過表示エリア」 に表示される内容が下記【メッセージ内容】に合致する場合、以下の【対処法】で解消することができる場合があります。

【メッセージ内容】
◆次のメッセージが表示される
【エラー発生】[処理名*1]を処理中にエラーが発生したので処理を中止します。
異常終了しました。
error message:
[エラー詳細内容]

◆上記[エラー詳細内容]部分に、次の何れかの文が含まれる。
・「MATLAB:UndefinedFunction」
・「see Makefile」
・「Can't obtain SPM Revision information.」
・「MATLAB:load:couldNotReadFile」
・「MATLAB ランタイム コンポーネント キャッシュにアクセスできません。」

*1[処理名]には、処理が停止したタイミングに実施されていた処理の名称が入ります。

【エラー原因】
ブイエスラドは、処理実行時にプログラム実行ファイルの一部が一時フォルダに展開されますが、Windows の機能(ストレージセンサー)が一時フォルダを自動削除してしまい、処理実行時にエラーが発生する場合があります。

【対処法】
次の(1)(2)を行うことで、エラー原因を解消することができます。

(1)以下のフォルダ(一時フォルダ)を削除する
C:¥Users¥<ユーザ名>¥AppData¥Local¥Temp¥<ユーザ名>¥mcrCache8.5.1
上記フォルダはエクスプローラーで下記のように入力することで表示することが可能です。
%Temp%¥<ユーザ名>¥mcrCache8.5.1

(2)ストレージセンサー機能をオフにする
Windows の スタートメニュー>[設定]>[ストレージ] で表示される「ストレージセンサー」が「オン」になっている場合は、「オフ」にします。