- Q1
梗塞があるとなぜ「ブイエスラド」での処理が駄目なのですか?
- -A1-白質にみられる梗塞は、T1強調像において灰白質に近い信号値を示すことから、灰白質抽出プロセスにおいて、本来は白質である部分を灰白質と誤認識する要因となるからです。特に、梗塞の範囲が大きい場合は、白質と灰白質の誤認識が画像全体にわたって発生し、真値からかなり乖離した結果となる場合があります。一方で、梗塞の範囲がごく小さい場合は、画像においてその局所的な範囲でのみの影響となることもあります。梗塞があるから必ずしも使えないということではありませんが、誤認識の恐れがあるためご利用に際してはご注意下さい。
- Q2
「明確な脳梗塞の見られる画像は正常に解析できません」とありますが、ここで言う脳梗塞とは、関心領域(内側側頭部や背側脳幹海馬)で見られる脳梗塞でしょうか?それとも関心領域以外の脳梗塞でしょうか?
- -A2-明確な梗塞のある位置が、関心領域内であるかないかに関わらず、正常な解析は行えないことがあるとお考えください。
- Q3
撮像時、顎の角度が少し違うだけでZスコアの数値に大きく差が出てしまうものでしょうか?
- -A3-顎の角度による数値の違いについては詳細データはありませんが、角度の違いが処理結果に影響し、値が異なる可能性はあります。
- Q4
「ブイエスラド」解析結果画面上の閾値とは何を意味するのですか?
- -A4-「ブイエスラド」解析結果画面上の閾値とは、Zスコアマップ(解析結果画像)において色づけする範囲を設定する値となります。
初期設定では、Zスコア「2」を閾値としており、Zスコア「2」を超える範囲が色づけされます(変更することができます)。
閾値「2」という数値は、被検者画像と対照画像を統計比較した結果、平均値から標準偏差の2倍離れている(Zスコアが2)ということを意味する数値であり、ある測定値が正規分布に従う場合、測定値が平均から標準偏差の±2倍の範囲に入る確率は約95%となり、約95%の範囲を超えた場合を異常値と解釈します。「ブイエスラド」は、対照画像と被検者画像の脳容積密度を比較し、どれだけ低下(萎縮)しているかを示す解析を行うため、Zスコアが「2」を超えた場合、対照画像と比較して統計学的に異常ということから、萎縮しているという解釈となります。
- Q5
プラスの関心領域には海馬傍回だけでなく扁桃体も含まれているのですか?
- -A5-扁桃体の一部が含まれています。詳しくは、プラスの総合パンフレットをご覧ください。
- Q6
クラスタサイズについて、指定した周辺部位とありますが、周辺部位とはどのあたり(どのくらいの広さ)のことを指しているのですか?
- -A6-クラスタサイズとは、指定した萎縮が見られる(Zスコア2以上の)ボクセルに連なって萎縮しているボクセルの数を示すものです。特に周辺部位が特定されているものではありません。
- Q7
Zスコアマップが開けません。
- -A7-すべてのファイルを表示して、Zスコアマップ以外のファイルを指定した際に起こります。正しいファイルを開いているか、再度ご確認ください。
- Q8
プラスで SPM Segment ウィンドウのX軸項目名の下のほうがかけてしまいます。
- -A8-「ブイエスラド プラス」に移植しているSPMに由来するもので、環境により欠けることがあります。
- Q9
処理中に、「エラー発生」、「異常終了しました」というような内容が表示され、処理が停止してしまうのですが、どうしたらよいのでしょうか。
-
-A9-
処理停止の際に「[処理経過] ウィンドウ」の処理経過表示エリア」 に表示される内容が下記【メッセージ内容】に合致する場合、以下の【対処法】で解消することができる場合があります。
【メッセージ内容】
◆次のメッセージが表示される
【エラー発生】[処理名*1]を処理中にエラーが発生したので処理を中止します。
異常終了しました。
error message:
[エラー詳細内容]
◆上記[エラー詳細内容]部分に、次の何れかの文が含まれる。
・「MATLAB:UndefinedFunction」
・「see Makefile」
・「Can't obtain SPM Revision information.」
・「MATLAB:load:couldNotReadFile」
・「MATLAB ランタイム コンポーネント キャッシュにアクセスできません。」
*1[処理名]には、処理が停止したタイミングに実施されていた処理の名称が入ります。
【エラー原因】
ブイエスラドは、処理実行時にプログラム実行ファイルの一部が一時フォルダに展開されますが、Windows の機能(ストレージセンサー)が一時フォルダを自動削除してしまい、処理実行時にエラーが発生する場合があります。
【対処法】
次の(1)(2)を行うことで、エラー原因を解消することができます。
(1)以下のフォルダ(一時フォルダ)を削除する
C:¥Users¥<ユーザ名>¥AppData¥Local¥Temp¥<ユーザ名>¥mcrCache8.5.1
上記フォルダはエクスプローラーで下記のように入力することで表示することが可能です。
%Temp%¥<ユーザ名>¥mcrCache8.5.1
(2)ストレージセンサー機能をオフにする
Windows の スタートメニュー>[設定]>[ストレージ] で表示される「ストレージセンサー」が「オン」になっている場合は、「オフ」にします。