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■ 2008年2月20日 脳室が拡大している画像の注意事項

「水頭症など脳室がかなり拡大している場合、SPMの灰白質抽出アルゴリズムの中で適切な処理を行うことができず、異常処理結果となる」という話をアドバイザーの医師から聞いております。

灰白質抽出は、各ボクセルを、灰白質・白質・脳脊髄液という3つの組織に振り分ける際に、空間的な位置の情報を利用しています。
これは、多くの健常者の脳サンプルより、組織の事前確率分布、すなわちすべてのボクセル位置に関してそれぞれ、白質、灰白質、脳脊髄液のどの組織が存在する確率が高いかをあらかじめ求めておき、これと入力された画像の信号値の情報とを併せて、組織の分離を行うというものです。

ところが、水頭症などで脳室が大きく拡大していたり、脳全体の萎縮が著しい場合は、通常は白質や灰白質があるはずの位置に脳脊髄液が大きく広がっているため、先の事前確率分布に非常に広い範囲で適合しないことから前提条件が崩れてしまい、画像全体にわたって正常な分離ができなくなるという結果になることがあります。