留意すべき画像事例紹介
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・「関心領域内の萎縮の程度(海馬傍回の萎縮の程度)」が高い(6以上)
・脳全体に強い萎縮が出る
解析に失敗している可能性が考えられる例
▼考えられる原因
・顎が上がっている
・低信号領域がある
・ムラがある
Zスコア解析結果画面
スライス一覧表示において、海馬傍回付近或いは脳全体に渡ってZスコアが非常に高く表示されています。
灰白質抽出画面
灰白質抽出画面において、他の組織が誤って灰白質として抽出されていることから、灰白質抽出に失敗したことが分かります。
MRI画像
(例1)顎があがっている  
顎が上がっている状態では、灰白質抽出に失敗する場合がありますので、AC-PC lineが水平になるように撮像してください。
患者様の状態によっては難しい場合もあるかと思われますが、撮影方法の調整によりAC-PC lineを水平にするようにお願い致します。
※自動補正フローにより処理失敗を回避できることがあります
(例2)低信号領域がある  
T1強調像においては、梗塞または梗塞に近い状態を低信号領域として呈します。本来は白質である部分に、広範囲の低信号領域が生じていると、灰白質の信号値と類似しているため、灰白質抽出に失敗する可能性が高くなります。これは、低信号領域が関心領域にかかっているかどうかとは関係ありません。大きさの目安としては、4~5mmの小梗塞が10個くらいまでなら解析可能、直径1cm以上の低信号領域が1つでもあると解析は難しいとお考えください。

臨床経過 : 実際に認知症の症状がみられた、他の検査項目と総合的に 判断したところADと診断されたなど。
(男性:70歳代)
画像提供: 国立精神・神経センター武蔵病院
札幌医科大学附属病院